全く、かわいいなあ。

恥ずかしいって言いながらも、手はしっかりと俺を繋いで離さない。

「ねえ、奈津。

今夜は俺の家に泊まる?」

そう言った俺に、
「えっ…」

奈津は驚いた顔をした。

「奈津が大丈夫なら」

そう言った俺に奈津は俺から目をそらすと、
「――いいよ…」

小さな声で、呟くように言った。

「えっ?」

俺は驚いた。

てっきり、嫌がるかと思ってた。

「いいの、あの人は今日もお仕事だし。

カネさんから今日1日は自分が妻であることを忘れなさい、って言われたし」