ヒサシのヤツ、彼女ができたのか。

俺は息を吐くと、
「ソレハドーモオメデトサンドシタ」
と、言った。

「心こもってねーんだけど」

そう言ったヒサシに、
「こもってますけどー?」

俺は笑ってごまかした。

「しかしチナツちゃんも相当だけど、お前も相当だったな。

ひでーこと言って、チナツちゃんから一撃。

あの温厚なチナツちゃんが」

そう言ったヒサシに、
「バーカ、俺はあいつに別れを告げられた彼氏の気持ちを代弁したまでだ」

俺は言い返した。

「にしてもひでーわー」

「ようやく今朝頬の腫れがひいたんだわ」

苦笑いをする俺に、
「そりゃお前が悪ィわ。

チナツちゃんに刺されたんじゃないかって、みんな言ってたぜ」

「んだよー」