「あ……何、ですか?」

カネさんは何か話をしていたのだろうかと思いながら、私は聞いた。

「どうかされましたか?」

カネさんの問いに、私は首を横に振った。

「何にもないです。

ストロベリーティー、おいしいですね」

ごまかすように笑った私に、カネさんは眉を下げた。

「好きな人ができたのですか?」

カネさんの口から出てきた言葉に、一瞬何を言われたのかわからなかった。

好きな人って、藤森くんのことを言ってるの?

何も言えない私にカネさんは優しく微笑んだ。