解放しろ?

こいつも、か。

西川は呆れたと言うように、息を吐いた。

奈津の見張り役をさせたヤツらは、みんな土下座してこう言った。

奥様を解放しろと、みんな口をそろえてこう言った。

「クビだ」

そう言った西川に、
「――えっ…」

秘書が驚いたと言うように顔をあげた。

「クビだって言ってるんだ、聞こえなかったのか?」

「そんな……先生!?」

駆け寄ろうとした秘書だったが、黒服の男たちに止められた。