ピンポーン

部屋にチャイムの音が響いた。

「奈津?」

俺はふたを閉め、缶をベッドの下に隠した。

奈津がきたんだ!

俺は迷わず玄関へ行き、ドアを開けた。

…が、
「何で…」

何でお前なんだよ…。

俺は目の前にいる人物に、どうすればいいのかわからなかった。

「久しぶりだね、リツト」

そう言ってチナツは、ニッと歯を見せて笑った。

「――何しにきたんだよ」

俺は言った。

何故今、チナツがここへ。