「そう言えば、カネさんも知っていたそうだな。

お前と生徒がつきあっていたことを。

反対するどころか、応援していたそうじゃないか」

カネさんのことを言われ、心臓が震えた。

「カネさんなら、今さっきクビにしてやった。

元はと言えば、あいつが奈津とそいつを出会わせたようなものだったからな」

「そんな…!」

カネさんは悪くないのに!

「だからこの家には、奈津を助けてくれる人間なんて誰もいないんだよ!」

「いやあーっ!」

夫が私の両肩をつかんだと思ったら、押し倒された。