校長先生の怒鳴り声が、場を引き裂いた。

「申し訳ございません!」

私は校長先生に向かって頭を下げた。

「藤森くんは、悪くないんです」

そう、律人は悪くない。

悪いのは、私だ。

先生で結婚しているうえに、生徒である彼に恋をしてしまったから。

「違います!

先生は悪くありません!

悪いのは、僕なんです!

先生が既婚者だと言うことはわかっていました。

でも僕はそれでも先生が好きで、それで…」

律人が私をかばった。