奈津がピタリと寄り添うように、俺を後ろから抱きしめた。

大きな柔らかい胸が、俺の背中に触れる。

「イベントなんてバカみたいって思ってた」

奈津がささやくように言った。

「でも律人に出会ってから、違った。

イベントってこんなにも楽しいうえに、こんなにも大事なんだなって。

今日律人の誕生日を祝って、そう思った。

これから先も、律人と一緒に過ごしたいって」

「――奈津…」

俺は奈津の方に視線を向けると、唇を重ねた。

俺も、一緒だったから。