~*~Natsu~*~

夫が私の手からカバンを受け取る。

「あなた、今日夕飯はどうしますか?」

そう聞いた私に、
「いや、いいよ。

今日は江藤議員と食事会があるんだ。

カネさんにそう伝えておいてくれ」

夫が答えた。

「…そうですか」

今日も、私1人か。

「じゃ、行ってくる」

「…行ってらっしゃいませ」

夫がリビングを出て行く。

バタン…

閉まったドアの音は大きくて、そして冷たかった。

その音は私を惨めな気持ちにさせるには、充分過ぎて笑える。