下を向いていたせいか、ある人にぶつかってしまった。
見上げると焦げ茶のふわふわした猫っ毛の髪をした女の人が立っていた。
「すみません…」
と、頭を下げた瞬間、
「俺の彼女にぶつかっといて、謝ってすむと思ってんのかぁ~オジョウチャン!」
っと、聞き覚えのある声が頭上からふってきた。
頭をあげると…そこにはたくがいた…
たくと視線がぶつかり合った…
すると、女の人が
「いいわよ♪私も前を見ていなかったから。ごめんなさいね!」
と、私に向かって言った。
私はそんなことより、たくがなぜ女の人といるのか、頭がついて行かなかった。
女の人がたくに
「行きましょっ!!」
と言い、たくは女の人に引っ張られながら、私の前から姿を消した。
その日から彼から連絡は一切ない。
"自然消滅"っとゆうやつだろう。
不思議と涙は出てこなかった…
