百合は戻ってきて驚いた。


翔太が姿を消している。


「もう、どこ行ったのよ。」


百合はその場で翔太を待った。


けれど、映画が始まる時間を過ぎても翔太が戻ってくる気配はない。


「お義母さんがくれたチケット無駄にして!帰ってきたらたっぷり絞ってやる。」


そう決意した百合だが、あまりにも遅すぎる翔太に、不安を覚えた。


急いで携帯に電話をかける。


電源は切れていた。


おかしいと想った百合は、事前に預けておいた荷物をちゃんと受けとってから、急いで自宅へ向かった。