翔太は、たくさんの服を手にとっては、悩んでいる百合を、あきれながら見ていた。

映画が始まるまで何か食べて時間をつぶそうと言ったのに、百合は、ワンピースに目を留めて、ふらふらと店に入っていってしまったのだ。


「百合ィ〜足痛いよぉ〜。」


百合は、そんな翔太の声など聞こえていないかのように、服を漁り続ける。


「ついでにこの子のも買おうかな。」


やっと買い物を終わらせた百合は、目を輝かせて、子供服売場を目指す。


「まだ早いよぉ〜3ヶ月なのに。」


「そうかな?」


少し不満そうな百合を説得して、翔太は、先を歩き出した。


「ちょっとまってよ!」


百合があわてて後を追う。