そして週末。


二人は朝から元気よく出かけていった。


二人が出かけてから、祥子は掃除をしたりと、適当に時間をつぶしていた。


「もうすぐお昼ね。」


家事を終わらせ、時計を見るともう、二人が家を出てから二時間ほど経過していた。

「いまごろ楽しんでるでしょうね。」


祥子は、二人の様子を想像して、一人ほほえんだ。


ーピンポーンー


玄関のチャイムが鳴り、祥子はドアを開けようとして手を止めた。


『チャイムが鳴ったら、玄関を開ける前に必ずのぞき穴を確認してね。できれば扉を開けないで。』


百合の言葉を思い出す。


祥子は、のぞき穴を確認した。


けれど、そこには誰もいなかった。


「イタズラかしら。」


祥子が部屋へ戻ろうとしたとき、またチャイムが鳴った。


ドアをたたく音も聞こえる。


「助けてください!!おかしな女に追われてるんです。お願いします。」


「まぁ大変!!」


祥子は急いで扉を開けた。