百合はゆっくりと振り向いた。


「いるんでしょ?お義母さん。」


「気づいてたのね。」


「私の友達の彼と母親も消えたの。彼女も私たちも必死に二人の行方を追ってる。」

「あなたたちはただ…二人を捜したいだけ?」


「どこのバカが始めたのか知らないけど、頭のイカレた奴の好きになんてさせない。この事件は、私たちの手で終わらせてみせる。」


百合の芽はまっすぐに祥子をとらえていた。


その瞳は、何があっても揺らぐことのない決意を表していた。