勿忘草





一気に、夢なんじゃないかと勘違いしそうになる。


今、詩乃がいることを感じたくて無理矢理その体を抱き締めた。




はらはらと涙を流す詩乃を、壊してしまいそうなほどに。



上を向かせ、その涙を指で優しく払い、そっとキスをした。





「やっと見つけた」






俺の短かった恋が、


また始まった。






fin.