ずっと、忘れようとしても忘れられなかった。 俺はこの花言葉に縛られるように。 でも、きっと、この瞬間のために。 「“私を忘れないで”…、だろ?」 目の前のその人は、やはり少女のように幼い。 変わらず大きな目に、いっぱいの涙を溜めている。 「俺は見た瞬間分かったのに。 ひどいな、詩乃」 「……洸…くん?」 その声で、俺の名前を呼ばれれば。 俺の中の何かが切れた。