「おい、父さんっ!!」 あまり広くもない病院内で、親父を見つけ出た。 「あぁ、洸か。どうした?」 焦る俺とは対照的に、親父は優しく笑っていた。 「『どうした』じゃねーよ! 詩乃は、どこに行ったんだ!?」 俺の中には、最悪な考えばかりが渦巻いていた。 が。 親父は、驚いたように目を見開いた。 「…聞いて…ないのか?」 「……は?」 「…実は…、」 話し出した親父の目は、医者の目だった。