英国喜劇リコレクション

「これはきっと、私たちとは違う…何か大きな力が働いていると思うわ」

「─ッ!」


息を呑むほかなかった。
それは、それはつまり…
人ならざるモノの力があるというのならば、

「この城に、魔法を使う者がいると…おっしゃるのですか?」

「…そうかもしれないわね。どうあれ、今の雰囲気は異常だわ」

「ならばすぐにでも見つませんと!」

震えた声が混じる私に、アイリーン様は頷くとも否定するとも取れない表情で眉をしかめた。


「そう…今ここはおかしいわ。だからこそ、貴女に話があったのよ、カレン」

疑問符しか浮かばない私の手をとり、アイリーン様は紫の瞳を私に向ける。


「この先、何か大きいことが起こりそうな気がするの。だから私は一旦国外に逃げようと思うの。貴女の体には負担になってしまうかもしれないけど、貴女も一緒に行かない?」

「な、国外ですか?」

「おそらく、国の中ではどこでもあまり変わらないと思うわ。家出っていう名目で、何度かやったこともあるのよ?」

最後の言葉だけ、悪戯っぽくウィンク。

確かにジュダス様とアイリーン様はよく喧嘩をなさり、結果アイリーン様がどこかへ出て行ってしばらくお帰りにならないというのはよく聞く話。

それがまさかこういう形で…