母が悲鳴じみた声を上げた。
けれど、構いやしない。

「私、そうやって皆から頼りにされてるお母さんが大好きだった! 誇らしかった! 私もそうなれたらいいなって思ってた! お父さんに治った人の様子はどうだったか聞いたら皆元気だって言ってた!
だから…だから、病気が治らないなんて嘘だよ! お母さんはすごいんだよ!」


だから、家を診療所にすればいいのに。
お金なんて私達はほとんど使わないから少しにしてやったらいいのに。

そうしたら困ってる人も救われるのに。


いつも…そう思ってた。