英国喜劇リコレクション

再度 ん? となる一同。

素早く視線でお前が行けよと目配せし合うと、ここは成り行きで立っていたエルヴィスに任せられた。

「ピザの配達です!」

「! はいな。今出ます!」

ドアの向こうからは女性の声。

――女性、は今はマズイ!!

ユノとジュダスが思ったのが同時。
しかし、エルヴィスは既に扉にたどり着いていた。

ガチャリ、とドアを、まるで淑女を招き入れるかのように恭しく開いた。

扉と一緒に身を引いたエルヴィスの向こうに配達員が見たものは――

誰もいない空間に喋るアホ毛男子。
真っ赤になって倒れる女性を支える無表情男。
何故か青ざめた顔でこちらに手を伸ばす赤毛男。



――カオスッ!!



率直にして的確な感想だ。


そして、中に目を奪われたせいで扉と共に身を引いた――彼女にとって只今最も危険であろう男――エルヴィスに目が入らなかった。


「ミックスピザをお届けに……」