神に…?
聖職者……?

「な、に…それ。わかんないよ」

震えて絞り出せば、母は悲しげに眉尻を下げた。


「だって、私達だって神様に従ってるじゃない。毎日毎日お祈りを捧げて、お祭りとか、儀式とかもやってるじゃない。
それなのに、いけないの?」

「私達は、罪人だから。罪を洗い流した聖職者さまじゃないと病気は浄化されないのよ」

「嘘よ!!」

鋭く叫ぶ。
母はその声にすら身をすくめ、小さくなる。

「嘘よ。だって私見たもの! お母さんが薬を作って上げて、何日か家に通ってた人たち、すごく良くなっていたもの!
法外なお金をとる教会なんかより、お母さんのがずっといいって言ってたもの!」

「セルマ!!」