英国喜劇リコレクション


肩を掴まれたダイアナに逃げ場なし。
シスターを目指してきたダイアナに免疫なし。
沸騰するかのように下からだんだん赤くなっていく。


「兄さん、に……近づい、たら…ダメ、……です」

だが時既に遅し。
レイモンドの意識は落ちた。



エルヴィスはそのまま顔を近づけ、ダイアナの耳朶に高い鼻先をつけた。

「……首筋、いい香りな」

顔がどんどん熱くなっていくのが、明らかにわかって、頭が真っ白になっていく。

ととり、あえずっ、わ訳が、わか、わからな――

「な、キスしていい?」



はぃ?

ポカンと見上げてしまった。
その隙をついて口元に、チュッ、と。

え? え、今私――


ボンッ!!

ダイアナのてっぺんから湯気が。

「はわわわー」

「あ、危ないな!」

プシューという擬音が似合うほどのゆでダコで、ダイアナは真後ろにフラッと倒れた。
すっかり気を失った彼女を受け止め、ユノは主を諦観。

「……主よ」

「何も出来なかったな…」

「残念そうに言うことではないのだが」


その時、


ピンポーン


二回目のインターホンが鳴った。