ユノの指す“それ”はまさに自分が今呑んだグラス。
肯定の意を示すと、瞬く間にユノが青ざめた。
「済まない! それは私のグラスだ。呑み終わらないうちに次々継ぎ足されたもので」
つまり、全部が混ざったよくわからない酒。
妙な反応を起こして、濃度が一気に高く――
体からどんどん力が抜けていく。
「そういう……こと、は、早く、言いな、さい!」
レイモンドは、そのまま後ろにパタッ。
「れレイモンド様!! 何かいいものは――」
「安心しなさい。酔いが回って眠くなっているだけだ」
ユノの言葉にいくらか落ち着いたダイアナは、立ち上がった。
「で、では、枕ら、でもお持、ちします」
「待っ………ダイ……ア、ナ…エルヴィス兄さんの…側、は…」
「はい?」
首だけでレイモンドを振り返ったダイアナの肩に、手が置かれた。
「え?」
前を向くとそこに迫っているのは――
「えエ……ルヴィス様!?」
オレンジの高い背丈。



