英国喜劇リコレクション

しばらく動きを止めるエルヴィスとジュダス。

「お、おじ邪魔、します」

「ダイアナちゃーん!!」

レイモンドが連れて部屋に入れたのは、女好きの叫びの通りダイアナだった。

「ここんばん、は、です」

すかさずジュダスの手からすり抜け、腰を折る。

「ダイアナ嬢、ご機嫌麗しゅう」





「ほほぇぇ!? ええエルヴィスさ様、私は、い、一介の、使用人でござい――」

「ダイアナ、兄さんから離れてて下さい」


ダイアナオーバーヒート。
彼女を回収しつつ、レイモンドは兄を一瞥する。

兄の女性好きは今に始まったことではないのだがここまでこられると。
さらにはダイアナは自分の従者である。

ちぇー、と口を尖らせる女好きよりは、変に絡むだけのバカのが無害。

「ダイアナはこっちに座って下さい」

「はは、はい」

ダイアナがちょこん、と座るとユノがこちらを向いた。

「ダイアナ嬢、来たのか」

「は、はい。ななんだか、大変、そうで」

「僕の財布を届けてくれたんです」

そうか、と相づちをうち全く減っていないグラスをコトリと置いた。