ジュダスは小さくため息をついて、最後に残っていたチー鱈をつまんだ。
「あ!! 俺が最後に残しておいたチー鱈がない!」
「残念だったな、ディズ。だがお前のものは俺様のもの。食っても文句は――」
「誰が食った! イアンか!」
「いや俺様だが」
心なしか、ユノが解放されてほっとしている。
「イアンのバカヤロー!」
「だから俺様だって――」
「俺のことバカにするだけでは飽き足らず! 最低だ!」
「誰が最低だと貴様!?」
立ち上がり掛けたジュダスの肩をレイモンドが止めた。
「兄さん! 相手にしてはダメです!」
ハッと我に帰る。
……マズイ。いよいよ俺様も酔ってきた。
「ですが、つまみもなくなりましたし、何か頼みますか」
「ああ」
ジュダスは座った。
心底レイがいてくれてよかったと思う瞬間。
「はい、お願いしま――」
「配達は美しい女性でよろしくなー」
「やめんか貴様!」
なかなかどうして、こういうことには敏感なんだか。



