「なぁ、聞いてるのか? お二人さんな」
「ええ、聞いてますよ」
レイモンドが笑顔で対応すれば、気をよくしたように頷くエルヴィス。
エルも、厄介だ…
「確か、グランド公の娘さんのお話でしたか」
「違うな。それは3つ前の話」
こいつはこいつで、どこの誰が可愛いだ綺麗だ、付き合った女性の話――要は女ばっかり。
「エル、俺様はもううんざ――」
「でな――」
「だ〜か〜ら〜な〜!」
「彼女、めちゃダンス上手くてな、」
ずっ、と寄りかかって得意げに話を続けるエルヴィス。
手に負えない。
よいしょとエルヴィスの体の向きを元に戻そうと押すとあれ、と。
「ディゼルのやつ、ユノのことダメじゃなかったな?」
「そうなのか?」
振り向けば…熱弁を振るっているようにしか見えない。
「まぁ、いいな。面白いし」
へらりと笑ってサラリと爆弾。
「これで仲直りするといいですね」
心にも思ってないレイモンド。
兄貴たちは冷たいのである。



