ジュダスがエルヴィスから目線を戻そうとするとき──ゲシ。
なんたることか。
ディゼルの足がジュダスの後頭部にクリーンヒット。
ビキ。
その不穏な音を、キッチンに立つ三人は聞こえないフリで済ませた。
「ディ~~~ズ~~?」
「え? え? うぎゃぁああぁっ!」
「…大丈夫であろうか?」
「ユノ、見んな」
冷たい兄である。
「兄さん、野菜とバラ肉、切り終えました」
早いな、とまな板を見ると美しいほどにまで切り揃えられた野菜と肉。
無駄なところは一切なし。
「よし、んじゃそれ炒めて」
「出来ません」
即 答
「え? は?」
レイモンドの顔は大真面目。



