英国喜劇リコレクション


遊ぶだけ、遊んでやろうと手をとったとき、視界の端で何かがチカとした。

「!?」

「どうしました?」

足を止めたエルヴィスを、不思議そうに見つめる女。
しかしエルヴィスはそちらの方向を一切見ていない。
目を見開いて、ダッと窓際に駆け寄った。

(お前、どうしたんな!)

そこにいたのは昼間助けたピクシー。
やけに必死の形相で羽を動かし、体全体を光らせている。

(何があったな? それより、こんな人の多いところにきて)

見つかったらどうするつもりなのか。
そう言いかけたところで危うく思い出した。

俺はこいつらの守り人じゃねえな!

そりゃあ、自分に助けを求めるのは道理だ。
エルヴィスは窓に屈み込んだ。

「──。─、─!」

「……」

聞こえない。姿は見えても言葉まで通じるようには出来ていないのか、それとも声が小さすぎるのか。
とりあえずジェスチャーから、必死なピクシーが庭の奥を指していることだけは理解。

で、どうすればいいんな。

「エルヴィス様?」

後ろには女。おまけに彼は王子。
突然夜会を抜ければ多少なりと問題になろう。

……

「どこか具合でも? お飲み物でももらってきましょうか?」

「いや…」

離れようとする女の肩を掴む。
突然のことで女の肩はひくと跳ねた。