「さぁってな」
仕返しはユノを使おう、と心に決めたエルヴィス。
ユノは嫌な予感を走らせつつ、主人に進み出、手元の紙を見て頬を引きつらせた。
「主よ……あー、夜に…なんだこれは…えっと……舞踏会? がある。その会場とやらへの、出発がもうすぐだ」
「ブッ、ハハハ!!」
「…何がおかしいのだ」
他人がいればユノの顔に震え上がったかもしれない。
しかし、その仏頂面が紙切れを読み上げるという事務作業に歪むのはなんともミスマッチ。
「ハハハ……いきなりやんなくていいぜ? もうちょい勉強しろな」
「……うむ」
考えてみればユノはユニコーンの長で、他人に仕えたこともない。
突然従者をやれという方が無茶。
が、それがエルヴィスにはおかしくてたまらなかった。
「じゃあ俺は準備するからな、時間はちゃんと教えろよ。女の子と戯れるチャンスを逃せないからなっ!」
ウキウキしながら奥に消えるエルヴィスに、ユノはまた首を傾げた。



