「きったねぇなお前! ああそんなんで部屋入るなよ!」
ちょうど踏み出そうとしていたディゼルの足が空中で止まる。
「いーじゃんよ!」
「全くよくないな? 何かしたかったら厨房持っていけ。
そんでもってぜぇっったい俺の部屋に入るな!」
「ええ…」
美しいものが好きなエルヴィス。
同時に綺麗好きでもある。
要は、美しいものを汚したくないのだ。
そんな趣味が集まり自分なりの調和をとったこの部屋に侵入しようとする泥ウサギが1羽。
――許されるはずもなく。
ディゼルは入り口で頬を膨らませた。
「エル兄のケチ、どケチ!」
「なんとでも言えな。痛くも痒くもなーい」
シッシッとしながらドアを閉じようとするエルヴィスに向かって泣きそうなディゼルは悪口を飛ばす。
「バカバカ! アホ! 何だよ女みたいなこと気にしてよ! 神経過敏!
乙女男! オカマ!
女々しいんだよ!」
「……あ?」



