人よりも3倍近く年をとるのが遅い彼女。
2年辺りを限界に、セルマは暮らす場所を点々とした。


途中から、人にも神にも興味は失せ、セルマは魔法を使わない限りは賢女と崇められ、力に気付くと、差別された。


そんな彼女は――

いつか処刑にされるのを待っていたのかもしれない。

判決を下されたその時、何も感じない命が、ほんの少しだけ安堵したのだから。


しかし運命は、そのようには行かなかった――――

――――ある一人の若者の思惑が、彼女の歯車を動かし始めた