「待って! 一体何を!?」 “――お前が望んだ力。年の取り方が人と異なる点は気を付けることだな” 今度こそ、立ち去った。 湧き水に映る瞳は赤く、人の道を外れたことを示している。 知らない言葉が頭を回る。 試しに呟いてみると、水が意思を持ったように動いた。 私はもう人間じゃない。 それだけは、ぼんやりと認識していた。 覗き込んだ水面に映る顔には、もう昔の面影は残っていなかった――