「なに…それってどういう…?」 訝しげに体を起こした時だった。 胸の中心に大きな衝撃が走った。 「っ――!」 苦しい。 息が…出、来ないっ…! しかしそれは、来た時と同じように唐突に消えた。 「!?」 体が軽くなり、疲れなどどこかに放り出された。 「…何これ」 “――森の魔性。木々の蓄えた力の一部を扱うことが出来るのだ。使い方は、自由だ” それだけ言うと、声の気配は遠ざかっていく。