“――僻地に住まうは森の魔性…踏み荒らす者には災いを” 「歓迎はされてないみたいね」 “――端の人間ごときが何用か” 高圧的な声。 しかし今のセルマにその相手をする気力は無かった。 母の最後を、父の無残な姿を思っては、ひたすらに泣いた。 あれがお母さんが恐れていたこと? あれが神様に仕える人間のすること? セルマはぐったりと畔に寝そべる。 「だったら…神様って何よ…」 “――愚かな問いだ小娘よ” 「?」