英国喜劇リコレクション


そんな父に連れられて、家に戻ると、倒れてしまいそうな程血の気の引いた母が出迎えた。

「お母さん……」

「馬鹿娘よ…あなた」

ちょっと拗ねたように口を尖らせる母に、セルマは苦笑い。

「でも、でもね。私、お母さんのこと尊敬してる。大好きだし、役に立ちたい。
だから…お願いします! 私にも教えて欲しいの!」

人の癒し方を。
頭を下げたセルマの後頭部を母はしばらく見つめていた。

「……わかったわ。その代わり、生半可じゃやってられないからね!」

「ホント? いいの!? お母さんありがとう!」


こうしてセルマも、賢女へと、足を踏み入れた。
ある意味、それは当然だったと言えよう。


しかし、魔女への道はまだ先――