そうなんだ。

そうだとしたら――





――なんて皮肉だ





母は知識を持てども、家族のために医者業をひた隠しにしてきた。

寝る間も惜しみ、けれど娘の目のない夜のみ人を癒し、罪にあたる行いをしていた。

だが、その娘は母の背中をしっかりと見ていて、あろうことかそれを目指して努力してきたというのだ。
母のようになりたいというのだ。

罪であることを、そうとは知らないままに。


母はどんなに悲しかろう。

母はどんなに嬉しかろうか。