「セルマ、もういいから…」

いつももどかしかった。

夜にひっそり病気の人を見て薬をあげたり、してるお母さんが。
おおっぴらにやれないその姿が。




夜に拒絶されて、何一つ手伝えない自分が。


萎らしく項垂れる母に、一歩近づく。

「私ね、薬の作り方、こっそり練習してたんだ。お母さんの役に立てたらいいなって」

母は、項垂れたまま、

「家にあるレシピならほとんど見つけて、大体出来るようになったんだよ」

動かない。

「ねぇ、私…頑張ってるんだよ?」


パァン!!