遊人が慌てて手を振る。
「あ。ゴメン。二人が付き合ってるの知ってるし、奪おうとかじゃないんだ。だけどそれが正直な気持ちだから、大河内には言っとこうかなって思って。」
そう言ってニコッと笑う。
こーいう理解出来ないヤツが一番苦手だ。
乃乃と二人で勉強しようってのに割り込んできた時点で、薄々コイツの気持ちには気付いてたけどな。
そのくせ、俺のコト褒めたりして、ワケ分かんネぇし。
挙句に、堂々と人のカノジョがスキだとかぶっちゃけるし!
マジで、分からん!
てめーは高校球児かっ。
フェアプレーなら何でも許されると思うなよ。
「呼び捨てにすんな。」
「へ?」
「アイツは俺のだ。勝手に呼び捨てにしてんじゃねぇよ。」
遊人が目をパチクリとさせる。