「あ。律だぁ。」
嬉しそうな声を上げて、ブンブンと手を振る乃乃。
いやオマエ、そーじゃないだろ、今は。
「オマエ、ソレ、どーしたんだ。」
髪も服もボロボロ。しかも顔とか手には引っかき傷やら擦りキズがある。
はっとして階段の方へ顔を向ける。
「っ・・・・ひょっとして、あいつ等か。」
さっき小吉が言っていた言葉が蘇った。
王子様のファンが乃乃になんかするかもしれないって―――
猛烈に腹が立った。
拳を握りしめた時、乃乃が得意げに笑った。
「あのねっ、私負けなかったよ!律のカノジョとしてお役に立った!偉いで―――」
「―――っにやってんだ、バカッ!!」
思わずそう怒鳴って、はっとした。


