「んふー。昨日、学食ントコでカノジョと一緒にいるオマエ見ちゃった。オマエが素で楽しそうだったから驚いた。」
「・・・」
楽しそう、だったか?俺が。
まぁ、
俺の正体を知っているコイツと乃乃には演技をしなくてもいい分、一緒にいるのは楽ではある。
付け上がるから本人にはいわねぇけど。
コイツにも乃乃にも。
小吉が訳知り顔で云々と頷きながら続ける。
「いや、実は最初はね、自分よりランク低い女と付き合って王子様の好感度を上げようって作戦なのかなぁ~って思ったりもしたんだよ。」
「どんだけセコイ王子だよ、俺は・・・」
まぁ、好感度を上げるためじゃねーけど
撃退の為に付き合ってんだから、利用と言う意味ではあんま代わんねぇかもしんないけど。
純粋にスキで付き合ってんじゃないっての・・・小吉には薄々バレテタわけか。
俺の演技もまだまだ、だな。