ヒロ兄はちょっとダケ悲しそうな顔をして、 それでもふっと優しい微笑を見せてくれた。 『もし、彼に泣かされたら、俺ンとこおいでよ?お兄ちゃんとして慰めてあげるから。』 「泣かしてもぜってぇ行かせネぇよっ」と後ろで律が嫌そうにぼやいて、私の頭に乗っていたヒロ兄の手を払い落した。 そこは泣かせネぇよ、じゃないんだ・・・。 『クヤシイケド、乃乃の彼氏には完敗。』 それだけ言ってヒロ兄は学校を去った。