「・・・律、ココ、保健室じゃない・・・」
「んなこた分かってる。」
俺が踏み込んだのは清潔そうな白い保健室ではなく、殆ど誰も来ることなくいつもカーテンが閉まって暗い空き教室。
「でも・・・律、体調悪いて・・・」
「あ?んなの今はどーでもいいだろ。」
つか、嘘だし。
教室から廊下を走る乃乃が見えて
小吉が言った通り、すっげー体調悪そうだったから心配になって追っかけたんだ。
もう彼氏じゃない、とか、そんなの知るか。
心配なんだよ。
ほっとけねーんだよ。
しかたねーじゃん。
よもや品行方正の王子様が仮病と疑われることはナイ。
やっぱ、こういう時は王子様に限るな。