一瞬、何を言われたか分からなくて、茫然としてしまう。
言うだけ言った乃乃が、くるっと身を翻した。
は・・・・?
ちょっと、待てよ・・・・。
「おいっ・・・ちょっと待て――――
「っ、や・・・・・!!」
ばしっと音がして、
反射的に掴んだ腕が振り払われた。
乃乃は一度も後ろを振り返ることなく屋上から消えた。
まるで俺から逃げるみたいに・・・・。
俺に残ったのは掌の後味の悪い消失感だけ・・・・
振り払われた時の光景だけがやけに鮮明に浮かんだ。
俺に触られたくない―――て、
俺に触れられる事を全身全霊で拒否した俺のカノジョ。


