「アリガトウございました。」
お医者さんにそう言って、治療室から出た私とヒロ兄。
えぐえぐと嗚咽の止まらない私をヒロ兄が優しく撫でる。
「そんな泣かなくても大丈夫だよ。大したコトなかったんだから。」
「大したコト・・・あるじゃんっ。ヒクッ・・・七針も縫ったぁ・・・」
そう言ったらさっきの血まみれのヒロ兄を思い出して、また涙が出てきた。
風で倒れてきたアーチから私を庇ってくれたヒロ兄はアーチの装飾で腕を引っ掻いたらしい。
引っ掻いたなんて言うと大したことないみたいだけど・・・重量はあったし、かなり血が出た。
事態に気付いて、片付けをしていた先生方が駆けつけてくれて、そして近くの急患に駆け込んだんだ。


