アクビをしながら、黒板に書かれる意味不明な数式をぼーとみつめていると、ひざのうえで
携帯が震えた。


付き合って、1年になる一つ上の彼氏、高田寛貴からのメールだった。

「夏奈子、今日会える?」

すぐにひざのうえで返信を打つ。
「会えるよ。今日は、もう授業ないの?」

寛貴は、この高校の卒業生だ。

今は有名私立大学に通っている。

すぐにまた、携帯が震えた。

「終わったよ。夏奈子はまだ授業中?」

あたしは、興奮してるのを必死に抑えて落ち着いた文を作成した。

「ちがうよ(*^^*)」