「あッ、優人だ!
おはよ-!」
女子の声を聞き、パッとそっちを向く。
すると、同じクラスの真田君と歩いている松田君と目があった。
すぐに目をそらしたが、遅かった。
「おッ! 佐倉さんじゃん。
陸上部の事考えてくれた?」
最悪…。
この人って、無神経なのかな…
こんなに、松田君の事好きな女子がいっぱいいるところで
私に何か普通声かけるか?
思った通り、また女子が言い出す
「優人、何であんな子にかまうの?
その子、ちょっと走るの速いだけじゃん。
何が、いいの?」
「本当、優人見る目なさすぎ!」
すると、さっきまで優しかった松田君の目つきが急に変わった。
「そんなに、言うならさ、
お前ら、こいつと勝負してみねぇ?
お前らの誰かが、こいつに勝てたら
俺が見る目がなかったって認めるよ。
でも、全員負けたら2度とこいつの悪口は、いわせねぇ。
それと、中途半端な気持ちで、陸上部入ったやつ
全員辞めてもらう。
これで、どうだ?」
松田君は、言った。
―何…
それって、私にこの仮にも陸上部に入ってる人らと勝負しろって事?
そんなの、無理だよ。
しかも何、見る目がなかったって認めるなんて…
かけの内容がひどすぎる。
そんなの、勝てるなんて自信ないよ。-
「まッ…」
「いいわ。勝負しましょう。」
「じゃぁ、放課後グランド集合な。
種目は、100mと1000m。
いいな?」
「えぇ。」
-えぇ?!
ちょっと待ってよ。
何勝手に決めてんの!?
私が、まだいいなんて言ってないよ!-
女子が、去っていったあと
松田君は、言った。
「大丈夫だよ。
佐倉さんなら、きっとできる。
絶対に負けることなんかないよ。
俺を信じて。
絶対に大丈夫。
なんたって、俺は見る目あるから!」
