たった１つのラブレター

そんな日が続いたある日。
登校して、席につこうとしていた私に
ある会話が耳に入った。

「ねぇ!　聞いた?!　あの噂!」
「何の－？」

「ヒロトの噂!!」
「何、何－?!」
「何か、ねぇこの学年の1組に
安藤奈那っていう女の子がいるらしいの!
その安藤さんって子、すっごい男タラシならしくて
一週間ごとに男変わるみたいな!」

「それと、ヒロトと
どう関係あんの?!」

「何か、その安藤さんとヒロトは
幼馴染ならしいの…。
それで、ヒロトと小さいころからの約束があったらしくて。
その約束をヒロトが守らないと
ヒロトの大切な物を傷つけるって脅されてたって!」

もしかして…。
もしかして。　まさか…。

「大切な物って、まゆの事?」

「多分…。
しかも、その約束がね…」



「え－!!
うそ!　何なの…。
それ!
そんなの…。って・・・」

うそ…。
本当に言ってるの…？

そんなの…。

絶対、嘘だ…。