たった１つのラブレター

その夜。
ヒロトが死んだ。
交通事故。
夜10時ごろ、慌てて走っていたヒロトが
急に交差点から飛びだしてきて
車にぶつかった。

信じられなかった。
何?
ヒロトが死んだ?
そんな訳ない。
つい、数時間前まで話してたじゃん。
違う女の子とキスしてたじゃん…。
私と言い合いしてたじゃん…。
何か、言おうとしてたよね…？

嘘だといって。
ヒロト、またいつもの冗談でしょ?

嘘だよ。
って笑って私の前にきて…。

ヒロト…。
ごめんなさい。ごめんなさい。
あの時、ちゃんと話聞けば良かった。

後悔する…。
ヒロト…。
もう1度、、、逢いたいよ。

何で？　
何で、ヒロトなの?

ヒロト、あの時
「俺はッ・・・」
の続きってなんなの?

教えてよ…。


ヒロト・・・

帰ってきて…。


ヒロトのお葬式には、参加しなかった。
いや、できなかった。


冷たいやつ…。
頭がおかしい。
愛し合っていたとか言うなら何で葬式にも来ない？
結局は、嘘だったんだ…。
ヒロト可愛そう。
ありえない…。
私だったら、絶対に線香あげにいくよ。
涙すら流さないなんて、心がないんじゃない?
よく、ヒロトあんなの選んだなぁ…

ヒロトが、死んだのってもしかしたら
あいつのせいかもよ…。

私のせい…。
そうだ、きっと私のせいだ。
ヒロトが死んだのは私のせいだ。

私が悪い。

この時から私は心を閉じた。
誰とも話さない。
誰とも目を合わせない。