たった1つのラブレター

優人side

佐倉さんの、顔が赤い。
何でだろう?
また、怒ってるのかなぁ…
何も、言わないし…
いやだったかなぁ…。
俺の体操服…

「佐倉さ…。」

「ありがとう!!」

-笑った-
今、笑った。

佐倉さんが笑ったところなんて始めてみた。

可愛い…。
って、何考えてんだろ…?

自分でも、分からない。
心の中でなにか…。
自分も、顔が赤くなって行くのが分かった。

何だろう。
この気持ちは…。


「優人!」
怜が呼ぶ。
「何だよ…。」

「いいのか?!
あんなの…」

「何がだよ。」
「いくらなんでも、無茶なんじゃねえ?!
仮にも、陸上部に入っている神埼もいる!
しかも…」

「大丈夫だよ。
佐倉さんは、負けたりしない。」

「どこに、そんな根拠がある!
もし、負けたら佐倉さんは一生あいつらに
馬鹿にされ続けるんだぞ?!
もし、そうなったら全てお前のせいになるぞ。」

「・・・。」

「おい、優人!」

-負けないよ。
佐倉さんは、負けない。
絶対に。
勝負開始まで、後10分。
彼女は、絶対勝つ!-