「ちがうちがう。」

那奈が、顔の前でかわいく手を振ったから、

あたしは、首をかしげた。

「なにがちがうの?」


「まだ、彼氏じゃないんだあ!何人か集めて合コンして、君を知ってからにしたいってえー!」

那奈が、マスカラをぶんぶんと振ったので
あたしの手首に黒いシミができた。


あたしは、那奈を軽くにらんでから、手でこすって肌になじませた。

「で?今日は合コンだから気合いいれてるの?」

那奈は、ごめーん!と手を合わせた。

「ま、そーゆうことになりますなっ♪そーゆうことだから、美咲よろしくね」

急によろしくね、と言われたってなんのことかわからない。